僕は見知らぬおじいちゃんにスッポン料理をご馳走してもらったことがある。
あれは、20歳の真夏のある日だったと思う(回想シーン)
〇この記事はこんなあなたにオススメ
・営業ですぐに挫折してしまう人
・営業の仕事で結果を出したい人
・諦めなかった先を知りたい人
飛び込み営業での極意
学生生活の中で僕は飛び込みの営業のアルバイトをしていたことがあった。
今ではほとんど飛び込み営業というと煙たがれるし、その形態自体が絶滅危惧種みたくなっている傾向がある。
しかし、ちょっと前までは頻繁に行われていた営業手法の一つだと思う。
これは僕の営業での体験談だ。
目次
其の一 最後の一軒まで諦めない
学生時代、広島の大学に通い、キャンパスライフを謳歌していた。
学生の夏休みは非常に長く2か月もあったので僕は自動車免許を取ったり、アルバイトをしたりしたが、忘れられない営業先でのおじいちゃんとの出会いがある。
飛び込み営業のアルバイトで健康食品の受注とアフターフォローなどしていたのだが、まあ今となってはよくやっていたなと自分を褒めてあげたい。
炎天下で、自分の成長のためとはいえ、住宅地の家々を転々と回りながらインターホンとの格闘。
毎日、受注件数と金額の目標を立てながら営業を行っていたわけだが、その日は特に受注件数が夕方くらいまで伸び悩み、全くと言っていいほど売れていなかった。
営業で結果が出ている後輩のアドバイスを聞くと、その後輩は夕方は家に人がいるから買ってもらいやすいんだと言っていた。
「夕方は特に契約とれやすいんすよ。」
その一言に火が付き、僕は最後まで諦めない精神で営業を行うことが出来ていた。
結果が出ている人間のマインドセットを継承するだけで本当に自分の結果も変わってくる。
当たり前のことだが、「最後の一軒まで諦めない」という精神は本当に最後の一軒で結果が出ることが往々にしてあった。
このマインドセットは営業だけでなく、どんな仕事であれまたどんな人生を送るのであれ非常に大事になってくる。
結果を出すために諦めない。
スラムダンクの安西先生のシンプルな言葉を借りれば、
諦めたらそこで試合終了ですよ
結局はそういうことだ。
其の二 目標の全体意識を持つ
営業や仕事は目的や目標があり、部全体での目標があったりする。
個人的な成績が群を抜く人間というものは全体目標に対しての責任感がハンパない。
それを持つことは非常に重要だと感じる。
その日の結果の出ていなかった夕方以降も一軒一軒、丁寧に家々を回りインターホンを押すのを心掛けていながら本当に速攻で断られるケースがずっと続いていた。
あー、今日は結果的に厳しいな、と心も結果も非常にキツイ時間であったが、僕は一つ心を切り替えた。
結果は良かれ悪かれ出てしまう。
だったら、結果はひとまず気にせず「最後まで諦めない」をベースに丁寧に回ることを心掛けよう。
そして、最後の一軒に差し掛かった時、僕はちょうどスッポン料理を作っているおじいちゃんに出会った。
インターホンを押したら怪訝そうに出てきたおじいちゃんだ。
其の三 お客様との出会いにワクワクする
結果が出ず、厳しい日々であったとしてもお客様との出会いにワクワクする。
それは仕事を楽しむうえでとても大切なことであった。
人生も逆境が訪れたときに、どこかの一部分にフォーカスして楽しむというのは非常に重要なことだ。
最後の一軒で出会ったおじいちゃんはちょうどスッポン料理を作っており、今の時間にインターホンを押すな、と怒鳴られた。
僕は営業の目的と商品の紹介をササっと行って帰ろうとしたが、おじいちゃんに呼び止められた。
ところでアンタ、スッポン料理を食っていかないか。
え!?と思ったが僕は便乗することにした。
そして、スッポン料理をご馳走になりながら僕はおじいちゃんと心が通じ合っていくのを感じた。(だいぶ端折った)
おじいちゃんは数年前に奥様に旅立たれたこと。
スッポンは目の前の大きな川で釣り上げたものであること。
交通事故で親友を亡くし、同じ車に乗っていたおじいちゃんは奇跡的に無傷であったこと。
他にも色々と話をさせてもらった。
どんな人間であれ、そこには「人生」があり「喜怒哀楽」がある。
それを聞くことが出来るのも営業の醍醐味だ。
営業はお客様から勉強させていただくことが多い。
本当に多い。
あらゆる情報や人生訓を僕はお客様から学んだ。
このおじいちゃんとの出会いの体験も心に残って離れない。
其の四 良い日も悪い日もある
営業や仕事なんてものは、結果が出る日、結果が出ない惨憺たる日など色んな日がある。
そんなのは当たり前で長く生きていればいるほど痛感する。
しかし、松下幸之助さんも仰っているように順境も逆境も人生だ。
どんな日も淡々と生きることが大事だと考える。
それは非常に難しいことかもしれないが、仕事ができる人は自分のミッションを淡々とこなしている。
それが宇宙の法則なのだ。
其の五 1日の区切りで仕事をする
学生時代の営業のアルバイトはどちらかというと、自分の成長のため、学びのために行っている感覚のほうが強かった。
だから、つらい時期なんかは次の日のことは考えずに今日1日をどう過ごすか、どう営業するかにひたすら集中することが大事だということも学んだ。
自己啓発の名著、デール・カーネギーの「人を動かす」にも次の一節がある。
今日1日の区切りで生きることが重要だ
人生はマラソンだとよく言われる。
しかし、短いインターバルを猛ダッシュで駆け抜けて一旦休憩。
その連続であるとも捉えることが出来るのではないか。
要は緩急の問題だ。
1日を闘いきって、爆睡する。
次の日も全力で挑んで、爆睡する。
どんな日であれ、意味のある日だ。
まとめ 営業は人生の縮図だ
営業には人生の学びがいっぱい詰まっていた。
今でも思い出すのは、やはり様々なお客様との出会いとエピソードだ。
V字回復をする経験というのは何物にも代えがたい。
心が落ち込んでからそこから立ち直り、もう一度挑戦する姿勢。
失敗してもそれを教訓として、継続し続ける姿勢。
これらを学んでいった。
そのコレクションの一つとしてスッポン料理をご馳走になったおじいちゃんとのエピソードは心に大事にしまってある。
僕の心の琴線に触れた貴重な体験だった。
ごーせん