あなたの職場にもいるかもしれない。
もしかしたら、あなたも彼らの餌食になっているかもしれない。
「モラハラ」という言葉が流行ってから久しい。
仕事を共にしている上司や先輩の言動や態度に何か違和感がある。
絶望的な気持ちになる。傷つく。
苦しい。明日、会社に行こうとするとどうしてもやるせない気持ちになる。
そんな感情に陥っているとしたら、あなたはモラルハラスメントをされている可能性が高い。
モラハラをする上司というのは得てしてずる賢く、周りからは仕事が出来て善人で正義感が強いと思われている場合が多い。
だから、客観的に見るとあなたが絶望的な思いになっていると気づかれにくい。
もしあなたが、そんな苦しい思いに駆られている場合、どうしたら良いかを書き綴り、対処法を共に考えてみたいと思う。
〇この記事はこんなあなたにオススメ
・上司や先輩から態度や言動で苦しめられている
・仕事以外の人間関係で仕事に支障が出ている
・モラハラの特徴を知りたい
・このままでは精神が持たないので、行動して現状を打破したい
〇目次
目次
1.モラルハラスメントの特徴
モラハラの特徴は人生の色んな人間関係のパターンの中に出てくる。
今回はその定義と仕事という局面において見えてくる特徴を挙げてみたいと思う。
〇モラルハラスメントの定義
暴力は振るわず、言葉や態度で嫌がらせをし、いじめること。
精神的暴力、精神的虐待。
引用:小学館辞書
上記がモラハラの定義だ。
ちなみにこの言葉を提唱したのは、フランス人のマリーフランスイルゴイエンヌ氏という方で過去に日本での講演の実績もありだ。
彼女はモラハラについて、こう述べている。
「モラルハラスメントがどれほど被害者の心身の健康に破壊的な影響を与えるのか、その恐ろしさを嫌というほど見てきた。モラハラは精神的な殺人である。」
最後の文章、「モラハラは精神的な殺人である。」は鋭利な言葉だ。
それほどまでにモラハラというものが攻撃された人間を心理的に奈落の底に陥れるものであると言うのが伺える。
そして特徴は以下のようなことが挙げられる。
取り立てて問題にすることでない些細な事柄をあえて取り立てて執拗に相手を責め、罪悪感を植え付けようとする。
そして周囲にあの人が悪いと思わせようとするのが得意。
やり方は実に巧妙で周りを巻き込んで自分が悪者に仕立て上げたいターゲットを絞り、その人の居場所を職場からジリジリと奪っていく。
ターゲットとなった者は、長期の嫌がらせによりうつ病やPTSDを発症し、ひどい場合には自殺に追い込まれていく。
几帳面、責任感の強い、真面目、優しい人がターゲットになりやすい。
これが仕事の文脈で働く場合、仕事を押し付ける、仕事を奪う、業務に必要な情報を与えないなどの行為を行い、ターゲットを心理的に追い込んでいく。
パワーハラスメントとの違いは、パワハラは肉体的苦痛を伴うものでモラハラというのは精神的苦痛によるものの総称として扱われている。
肉体的苦痛を受けた場合は、大抵精神的にも大いなる苦痛が伴うものであるからモラハラと言うのはパワハラの上位概念に値する。
そしてこれは、心理的に有利な立場にあるものから不利な立場、弱い立場にあるものに行われる。
親と子供の関係、上司と部下の関係、中には同級生や同僚の間でも行われたりする。
2.なぜ彼らは執拗に攻撃してくるのか
人間は過去の経験が原体験となり、潜在意識に反動形成されてそれが人格に影響を及ぼす生き物だ。
つまり、人に精神的に攻撃をする人間は過去に、心理的強者にあたる者から執拗に攻撃されてきた、もしくはそのように感じてきたことが往々にしてあったということだ。
親、又は親に当たる人物からの厳しすぎる躾を受け、要求される極度に高い基準をクリアしないと認めてもらえなかった。ありのままの自分を容認してもらえなかったなど。
その認めてもらえない思いは、心理的に抑圧され憎悪という形で表出してくる。
そして大人になり、ある局面で要求したことをしてくれない子供や部下が現れた時、過去の原体験が心理的に思い出され、憎悪が一気に表出するのだ。
つまり、彼らの攻撃と言うのは「過去に自分を苦しませた人間への復讐」と捉えることもできる。
質が悪いのは、過去の原体験など今の関係性の中ではわかり得ない場合が多いということだ。
あなたは彼らの復讐の一手として利用されているのかもしれない。あまりにもとんだ災難だと思わないか。
3.あなたがしなければならないたった1つの事
そんなとんだ災難に遭い、苦しい思いをし続けているあなたがしなければいけないたった1つのこととは以下の一文に集約される。
声を上げること。
もう1度言う。
声を上げること。
あなたは声を上げなければいけない。それは今の立場から逃げるでもいいし、他に相談できる先輩や同僚に助けを求めるでも良い。
とにかく、あなたは自分が苦しんでいる現状に「No!」と言わなければならない。
真面目で責任感の強いあなたはそれさえも、難しいと思っていると思う。
それもそのはず、あなたが相手にしているのは仕事の文脈の中にいる、モラハラ上司なのだ。
もし、あなたが「No!」と言ったら仕事をもらえなくなるのではないか。
嫌われるのではないか。もう会社にいられなくなるのではないか、と不安がどっと押し寄せてくるかもしれない。
しかし、今のモヤモヤした状態から一度覚悟を決めてほしい。
モラハラする上司の方は覚悟が決まっていない。あなたが周りに相談することもできないような真面目な人間であることを利用している可能性も高いのだ。
要は、あなたの心理の弱い部分につけこみ、執拗に重箱の隅をつついてくるような器の極端に小さい人間だということだ。
つまり、あなたの覚悟の「No!」に動揺するのは相手の方である。迷える子羊のようにオドオドし始めるのは相手の方だ。
あなたが周りの相談できる人間に伝えないとこの問題はなかったことになってしまう。
そうなった場合、苦しんでいるあなたの立場がなくなってしまうではないか。
このようにして、最悪、自殺まで追い込まれている人間が結構いるのではないかと私は考えている。
これを読んでいるあなたには是が非でも、そうならないで欲しい。
周りに相談して頂きたい。
4.それでも解決しない場合は?
あなたが声を上げても、相手の態度が変わらない場合、外部の機関や相談窓口に問い合わせることをおすすめする。
いまでは、この問題は社会問題の1つでもあるので無料で相談に乗ってくれるところも多い。
あなたが「モラハラ 苦しい 相談」などとネットの検索エンジンから調べれば、いくらでも出てくるはずだ。
その中で、あなたが確認して信頼のおけそうな機関に問い合わせてもらいたい。
親身になって相談に乗ってくれるはずだ。
オマケ いつかあなたの受けた心の傷が財産になる
あなたがこれまで受けてきた行為とそれに対して「No!」と宣言した一連の体験と言うのは、必ず後から振り返った場合にあなたを勇気づけてくれる。
あの時、ちょっとでも闘ったから今がある。
そして、同じ苦しみを受けている人間の心の救いにだってなれるのだ。
体験した者にしかわからないことを共感してあげられる。
男性には、女性の出産の苦しみを理解することは出来るかもしれないが、共感はしてあげられない。
なぜなら体験することが出来ないからだ。
あなたはその体験を通して、いずれ同じ思いをしている人間に共感の手を差し伸べてあげることもできる。
しかし、そんなことは考えず、今はあなた自身の救いの為に一歩踏み出してほしい。
さあ、動こう。